会社経営の命綱であるキャッシュフロー強化(資金繰り強化)ですが、これは、経営者や経理担当などで出来ることと、営業や作業員等で出来ることに分けられます。
入金の部
新規取引先との支払い条件を、早めにもらえる初期交渉 | 営業担当者 |
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既存取引先との支払い条件を、早めてもらう交渉 | 経営者・取締役 |
前請けをもらう交渉 | 営業担当者 |
支払いの部
新規資材調達・仕入・外注などの支払い条件を遅くしてもらう初期交渉 | 各種担当者 |
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既存資材調達・仕入・外注先などの支払い条件を遅くしてもらう交渉 | 経営者・経理責任者 |
その他
請求が遅れて入金が遅れてしまわない様に、納品・請求管理をする | 経理担当者 |
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相手の請求日の締めを意識して、納品のスケジュールを組む | 営業・作業担当者 |
です。なかなか言いだし難いこともあるかと思いますが、新規取引先であれば交渉はし易いと思います。また、大きな仕事では、個別取引の資金繰り表等を作ると、前請けの交渉をしやすくなると思われます。
また支払いですが、例えば末締めの翌末払いを、末締めの翌々末の支払いに変更するのではなく、例えば末締めの翌翌5日として、5日だけ延ばすだけも、効果が大きい場合があります。例えば、支払いも入金も月末ですと、【14時に銀行へ記帳に行ったが入っていない!】という状況になりますと、慌ててしまいます。末期日の手形決済の現金入金を考えても、5日遅らせてもらうことで、効果は大きくなることも多いですね。
資金のコントロールは、必ずしも銀行から借り入れをするだけではありません。商取引上でのコントロールも、一度立ち止まって考えても良いかと思います。
銀行借入の部
借入は、もちろん返済しなければなりません。その返済スケジュールが、自社の返済出来るキャッシュとつり合わなければ、更なる追加融資を受けなければならないこともあります。経営者にとって借入は、「出来るだけ早く返したい」ものですが、返済スケジュールと見合わなければ、結果、さらに追加で融資を受け、場合によっては金利が上がってしまったり追加で担保を迫られたりします。まずは、自社でどれくらいの返済するキャッシュが捻出出来るのか?を把握し、現状の借入の返済条件を見直すこともお勧めします。
生命保険等金融商品の部
生命保険や投資信託、定期積み金(1年以上積み立てるもの)の資金流出は、主に会社の資産形成を目的としています。例えば、会社の資金1000万円を、生命保険の一時払いにしたとすると、その分現金が減ります。毎月支払う、或いは年に1回支払うものも、一年分の現預金が、生命保険やその他の金融商品に化けてしまいます。
その分、会社の資金繰りが安定しなくなり、結果、銀行からお金を借りたりすることも発生してしまいます。
前述しました銀行借入の返済同様、これらの積み立てる資金も毎年捻出出来てこそ、安定的に資産として蓄積させられるものですので、まずはやはり、自社が借り入れ分の返済と資産形成分の予算が捻出できるキャッシュフローなのか?を分析する必要があります。
商取引でキャッシュフロー強化は、時間もかかり、場合によっては目的が達成出来ない場合もあります。優先順位としましては、銀行借入の返済の見直し検討、生命保険等金融商品の見直し検討を優先させ、商取引上の改善は、意識をしてこつこつ積み上げていくことが 必要かとおもいます。
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